SNSでの心理的安全性について考える
どうも、合同会社Celalinkの代表をやっているヤナイ( @yusuke_celalink )です。
心理的安全性という言葉を知っていますか?
心理的安全性(サイコロジカル・セーフティ(psychological safety))とはビジネス向けの心理学の用語です。
こちらのサイトがわかりやすかったのでご紹介しておきます。
心理的安全性とは――「ぬるま湯」ではない、おさえておくべき意味を解説 – 『日本の人事部』
「心理的安全性」とは何か? チームや職場へのメリットを紹介 | 人事のプロを支援するHRプロ
心理的安全性とは職場内で「誰に何を言っても」「どのような指摘をしても」拒絶されることもなく怒られることもなく何も心配しなくて良い状態を指します。
あなたの職場でも「部下の発言を否定する上司」「自分が発言すると場の空気が悪くなる」「否定意見はあるが言える空気ではない」などそんな経験ありませんか?
もちろん発言の内容によっては罰する必要があるものもありますし、組織活動を行う上で全てを自由にできるわけではありません。
心理的安全性の目的としては人間関係をフラットに(上司部下の関係など無く)誰もが気づいた事を自由に発言することができ、それを聞いた人が新しい気付きを得ることができることを重要視しています。
そのためヘイト発言が許されるとかそういったことではありません。
心理的安全性が保たれる状態というのは、自分が自由に気軽に発言しても問題のない環境にあることを指します。
さて、そんなビジネスのシーンで注目されている心理的安全性ですがSNSの世界ではどうでしょうか?
今回は今話題のClubHouseと定番のSNSであるTwitterとFacebookを比較しながらSNSでの心理的安全性について考えたいと思います。
※実際の所、私も専門的に理解しているわけではないので認識が誤っている点があるかと思います。
※お気づきの点は是非ご連絡いただければと思います!私のブログは心理的安全性が高いので(笑)
ClubHouseでの心理的安全性
ClubHouseについて改めて簡単に説明しておきます。
ClubHouseは2020年春頃にアメリカでサービスが開始され、2021年1月に日本のApp Storeで公開されると共にインフルエンサー達に爆発的に拡散され日本でも一気に知名度を上げたSNSです。
2021年2月8日現在、まだiOS端末(iPhone6以上またはipad)のみで利用可能です。
ClubHouseの大きな特長としては
- 音声だけのやり取りが可能(テキストや映像の配信は不可)
- roomと呼ばれる部屋を立ち上げた管理者(モデレーター)が話し手(スピーカー)を選択することができる
- 録音行為は原則禁止。room内の会話は許可無く口外してはいけない
といった特長があります。
顔を合わせない声だけのコミュニケーションという特性上、比較的多くのroomで心理的安全性は保たれていると感じています。
初対面の人に対してフラットに意見の交換が行われているroomも数多く存在します。
誰でも自由に発言が可能で、発言に対する対応も受け入れらていると思います。
(原則的に)本名で登録している人が多いところも影響しているかもしれませんね。
特にトピックが決まっていて意見や反論など活発に行われるroomなどは実際に心理的安全性が高いと言えるでしょう。
しかし議論が白熱してくると話しを遮られて発言できない、反論したらオーディエンス(聞き手側)に戻されたなどといった行為も発生してくるでしょう。
今後ユーザー数が増えることによって今より心理的安全性が保たれる部屋は少なくなっていく傾向が多くなると思います。(クラブハウス自体のルールも増えていくと予想しています)
Twitterでの心理的安全性
Twitterは2006年からサービスが開始されている短文投稿型のSNSです。
まぁ今更説明は不要といった感じですね。
Twitterの特長を改めて見てみると以下のようになります
- テキストのみ、テキスト+画像、テキスト+動画など複数のパターンで投稿可
- 10代から40代以上と幅広くアクティブユーザーが存在している
- 拡散力が高い
Twitterでは基本的に文字の投稿が多いため、発言の内容に関して良くも悪くも自由に発言することが可能です。
もちろん過激な内容とかは運営に止められます。(例えばアメリカの元大統領のトランプさんとかね)
しかし心理的安全性とは別に秩序的な問題で盛り上がる事が多いように感じます。
他にもフォロワー内(繋がりがある人同士)では心理的安全性が高くても、まったく繋がりのない第三者から否定されることもありTwitter全体で見ると心理的安全性が保たれているというわけではないように感じます。
何度も言いますが「自由に発言できる」ことは「人を傷つけることを言って良い」わけではありません。
例えば「○○のご飯が美味しかった」という発言に対して全く関係の無い第三者から心無い言葉をもらうケースも存在します。
発言したユーザーがもう発言を止めようと思ったら、結果的に心理的安全性が保たれていないということになります。
それとは別にフォロワーのことを気にしすぎて「これを発言するとフォロワーが減ってしまうかも」といった感情から自由に意見したり発言することができなくなるケースも存在します。
SNSという特性上、リアルで合う人に暗いべて本位がわからないことは仕方のないことだと思います。
Twitterそのものと言うより、ユーザーによって心理的安全性が保たれていないと感じているユーザーが多くいるのは間違いないでしょう。
Facebookでの心理的安全性
Facebookは2004年にサービスが開始され、日本語に翻訳されたバージョンは2008年からサービスを提供しているそうです。
Twitterより前からサービスがあったんですね。
こちらも今更説明は不要といった感じですね。
Facebookの特長を改めてみてみると以下のようになります
- リアルでの知り合いが多い
- 投稿内容はTwitterと同じ
- Twitterよりプライベートな投稿が多い
- 若い人より中年層が多い
私個人的にはSNSの中で1番心理的安全性が保たれていないと思います。
「プライベートなことは知られたくないけど他の人の投稿は見たい」といった人が多いこともありますし、リアルに繋がっている人(昔からの友人だけでなく会社の人など)がFacebook上で繋がっていくため、職場の顔とプライベートの顔をSNS上で切り分けにくいことも要因だと思います。
昔見たネットの記事だと「上司に”いいね!”を強要された」なんて記事もありましたからね。
心理的安全性が保たれないどころかハラスメントにまで発展するケースもあります。
友達と旅行に行ったけどAさんは誘われていないことをFacebookで知ったとかもありますからね。
かなり発言に気をつける必要がある、発言しても受け入れられないという状況は心理的安全性はありません。
近年はFacebook離れが多いと言われるのも心理的安全性がないことが要因の1つかもしれませんね。
まとめ
心理的安全性とは
- 職場内で「誰に何を言っても」「どのような指摘をしても」拒絶されることもなく怒られることもなく何も心配しなくて良い状態
- 心理的安全性の目的としては人間関係をフラットに(上司部下の関係など無く)誰もが気づいた事を自由に発言することができる
- 発言を聞いた人が新しい気付きを得ることができる
SNS上での心理的安全性
- Clubhouseは現時点では心理的安全性が非常に保たれているように見える。今後は心理的安全性が低下する可能性あり。
- Twitterのサービス自体は心理的安全性が保たれているが、ユーザーにとって心理的安全性が保たれてるとは言えない
- Facebookは心理的安全性が最も保たれていない
SNS離れは心理的安全性が保たれなくなった時に始まると思います。
「今まで自由に発言できたのに」「周りの反応ばかり気になって窮屈」といったことにならないようにするためにはサービス自身と使うユーザーで心理的安全性が高いことが継続の秘訣に繋がるのかもしれませんね。
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