結局のところ、1人企業とフリーランスって何が違うの?

独立開業のノウハウ
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フリーランスは法人成りした方が良いのか?

どうも、合同会社Celalinkの代表をやっているヤナイ( @yusuke_celalink )です。

「独立したいけどフリーランスと法人どっちから初めていいの?」
「フリーランスで軌道にのってきたけど法人にした方がいいの?」
「結局のところ、フリーランスと1人企業って何が違うの?」
といった疑問や悩みを持っている人は多くいると思います。

私自信もフリーランスから法人成りして起業したので、独立を考えている人から相談されることも多いです。

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フリーランスと法人の違い

フリーランスと法人のどちらも『事業を行う=経営者』であることには変わりありません。

独立して活動するための手続きや、法律的な意味ではフリーランスと法人では変わってくるのですが、普通に仕事をする上では正直あまり大きな違いを感じたことはありません。

実際に私がフリーランスと法人の両方を経験した上での違いをは下記の点にあります。

  • フリーランスより法人の方が新規取引の際に有利
  • 法人は事務手続きが面倒
  • フリーランスの方がフットワークが軽い
  • ある程度の売上が出てくると法人の方が節税効果が高い

もっと細かい話をすると節税の仕方や、社会保障の違いとか色々あるのですが、今回はわかりやすく体感的に感じる部分でピックアップしてみました。

フリーランスとして活動した方が良い場合

  • 個人でも仕事が取ってこれる
  • とにかく面倒な事務手続きをしたくない
  • 年間売上(年商)が1000万を超える予定がない
  • 自由きままに働きたい
  • 従業員を雇う予定がない(事業拡大をする予定がない)

上記に当てはまる方はフリーランスの方が向いています。
もう少し掘り下げて説明していきます。

個人でも仕事がとってこれる

フリーランスと法人の違いでも書きましたが、新規取引をする際に相手企業のルールとしてフリーランスと契約できない場合があります。
特に大手企業相手だとフリーランスとの契約ができないことが多い気がします(事業によって違うかもしれません)
私はIT業界で仕事をしているため、セキュリティの問題等も関連してきますね。
フリーランスと取引が可能な取引先を個人で持ってこれる方はフリーランスとして活動しても問題ありません。

とにかく面倒な事務手続きをしたくない

事務手続き(経費の申告とか、会計の管理とか、税金に関することとかなど)を極力減らしたい方は法人よりもフリーランスの方が良いです。
開業の手続きに関してもフリーランスの方が圧倒的簡単に始めることができます。

しかし、独立する上で事務作業は絶対に切り離せない要素の一つです。
※アウトソーシングする方法もありますが、、、
フリーランスと法人のどっちの方が事務作業の負担が少ないかと言うと圧倒的にフリーランスです。

年間売上(年商)が1000万を超える予定がない

これは節税的な面が大きいですね。
ちなみに私は年商1000万は超えてないですが法人成りしました。
フリーランスと法人成りの節税比較をした上でどちらでも変わりがないくらいのラインだったので。

特に年商が700万を切る事業の場合は法人の方が損していきます。
逆に1000万を超える場合は(個人・法人共に)消費税の納税対象事業になります。
フリーランスでも法人でも同じ消費税を支払うことになると経費の考え方もどんどん変わってきます。

ただ、消費税に関して言うなら免除期間というのが存在するのでフリーランスで初めて免除期間が終わるタイミングで法人成りするという方法もあります。
そこら辺は事業をどういう計画で進めていくか考える必要があります。

自由きままに働きたい

独立したい理由の多くはこれですよね(笑)
私が実際感じるのはフリーランスも1人企業も働き方に変わりはありません。
どっちを選択しても自分の裁量で働くことには変わりません。

ただ、今までの話の流れでも書いた通り、法人の方が事務作業の負担はかなり大きいです。
ゆるく楽に始めるなら法人よりもフリーランスの方が、より自由度の高さを感じることができます。

従業員を雇う予定がない(事業拡大をする予定がない)

フリーランスでも従業員を雇うことは可能です。
人を雇うための手続き的なものは個人でも法人でも特に違いはありません。
しかし、社会保障の面や福利厚生面で言うと法人の方が便利になってきます。
特に福利厚生に関しては会社の規定として作成するため、フリーランスでは待遇をうけることはできません。

もしも従業員を雇う予定がある方や組織を拡大していく人にとってはフリーランスよりも法人の方が良いと思います。

法人として活動した方が良い場合

  • 上記フリーランスの条件に当てはまらない人
  • とにかく節税に命かけたい人
  • 多額の融資を考えている人
  • 組織を大きくしていきたい人
  • 確定申告時期を決めたい人

こちらもそれぞれ細かく見ていきましょう

上記フリーランスの条件に当てはまらない人

当然のことですがフリーランスとして活動した方が良い場合に当てはまらない人は法人の方が良いです。
『独立したい』と考えた時にライトに初められるのはフリーランスであるのは間違いありません。
取引先が法人との取引しかしないなど業務上の理由がなければフリーランスから初めて後々に法人成りしていくのが良いです。

とにかく節税に命かけたい人

会計を入力するようになってくると接待交際費や通信費などなど様々なものを経費として計上していくことになります。
フリーランスであれば個人の確定申告(所得税)、法人であれば法人の確定申告(法人税)の時期に納税する金額を計算して納税することになります。
その時に感じるのは「税金高いなぁ」と思うのは経営者の宿命だと思います。

様々な節税方法に関するノウハウがネット上や書籍でたくさん紹介されていますので興味ある方は是非調べてみてください。
特に経費を使うことが少ない人にとって一番法人でメリットがあるのは自分の収入を「役員報酬」として計上できることが大きいと思います。
個人の場合は給料として計上することができません。

例えば年商700万で、給与として年収400万円、経費として200万とした場合
個人:700万ー200万=500万
法人:700万ー600万=100万
個人の場合は給与を計上できないので500万に対して税金がかかります。
しかし法人の場合は給与を『役員報酬』として経費に含めることができるので100万円に対して税金がかかります。

※わかりやすく説明するためにものすごく簡素に書いてます。実際はもっと色々な計算が入ります。

このように個人と法人では節税に関するやり方が異なってくるので法人の方が節税効率が高くなってきます。

多額の融資を考えている人

融資をうける場合に個人と法人では上限が異なることが多いです。
特に銀行からの融資では法人の方が圧倒的に借り入れできる金額が異なります。
また「株式会社」を設立した場合は持ち株を売ることで資金繰りをすることができます。

スタートアップ企業などで新規サービスをする際にはより多くの人に知ってもらうために無料サービスなど収益を無視してまずは顧客を獲得する必要があります。
運転資金を獲得するために融資をうけるにはフリーランスよりも法人の方が有利です。

組織を大きくしていきたい人

事業が軌道に乗ってきたら人を確保していく必要があります。
独立直後はなかなか難しい問題ですが、将来的に事業を大きくしたいと考えている人は早めに法人からスタートしても良いと思います。
ただし、最初から1人で独立して事業を大きくする人にとってはフリーランスから初めても良いと思います。
2,3人で独立することを考えている人も法人から始める方が良いでしょう。

人を募集する際にも求人サイトを検討すると思いますが、求人サイトで個人事業の募集ってみたことないですよね?
アルバイトだと個人の飲食店とかあると思いますが、就職する時にはほとんど無いですよね。
もっと先の将来には新入社員の募集をする日もくるでしょう。
そういった時に「弊社では○年連続黒字!」みたいなメリットを打ち出すと思います。
このように将来的に組織を大きくすることを目標にする場合は早めに法人から初めて実績を積んでいくと良いかと思います。

確定申告時期を決めたい人

フリーランスでも法人でも確定申告を行う必要があります。
しかし、フリーランスの場合は『所得税の確定申告時期』が決まっています。
毎年2月中旬〜3月中旬に1〜12月の事業に対する確定申告を行う必要があります。

業種によってはこの時期に繁忙期で通常の業務を行いながら確定申告の準備も進めるというのが難しかったりします。

日本の多くの会社は4月〜翌年3月という事業年度が多いと思います。
3月に決算をして二ヶ月後の5月に法人税の確定申告という企業が多いですが、法人の場合は自由に決めることができます。
閑散期に合わせて確定申告がしたい人にとっては法人で独立して確定申告時期を設定すると良いでしょう。

法人成りのタイミング

独立してフリーランスから初めて将来的に法人成りすることを考えている人に向けて法人成りのタイミングについて書いておこうと思います。

私自身、法人成りのタイミングはフリーランスになって2年経ったらしようと最初から決めていました。
正直、法人成りのタイミングはネットや書籍で調べても様々な意見がありました。
今回の記事で書いたように年収を基準にするものもあれば、節税のタイミングなどによっても変わると思います。

特に法人成りの時期も決めていない人は、『そろそろ法人成りを考えようかな』と思ったタイミングが法人成りする良いタイミングだと思います。
法人成りを考え始めたら自分で色々調べて新しい知識を得ると思います。
メリット・デメリットを吟味して最終決断すれば良いと思います。

今思えばという話になりますが、私個人の考えとして一番良いタイミングは税理士の方に相談してみるのが良いと思います。
私は法人成りしてから税理士の方を探して契約したのですが、順番が間違ったなと感じています。
法人の確定申告は個人でやるのは相当難易度が高いです。
法人成りをする場合は『法人成りしたいけどタイミング的にどうか』を税理士さんを探しながら相談して決めるのが間違いないでしょう。
何人かの税理士さんに相談して一番良いと感じた人には法人成りした後も会計の面倒を見てもらうのが一番確実です。

まとめ

非常に長くなってしまいましたが、フリーランスと法人の違いについていかがでしたでしょうか?
全体的になるべくわかりやすく難しい言葉は極力排除しました。
フリーランスと法人のメリット・デメリットに関しては細かく説明すると非常に長くなるくらい奥深いものがあります。
この記事をきっかけに細かいことも知りたい人はお気軽にご連絡いただければと思います。
その他、税金のこと(主に節税)に関しては非常にわかりやすく説明しているサイトや書籍も沢山あるのでぜひ興味ある方は調べてみてください。

それではまた。

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